飛行機での短距離移動は確かに速いですが、鉄道の方が車窓からの景色を堪能できる機会がたくさんあります。空港でチェックイン手続きをして、セキュリティチェックを受け、搭乗することを考えると、3～4時間の鉄道での移動は、飛行機を利用する場合と時間的にさほど変わりません。リヤド (Riyadh)からダンマーム (Dammam) までの大人1名様の片道切符はエコノミークラスが105リヤル（約28米ドル）、ビジネスクラスが170リヤル（約45.33米ドル）です。ビジネスクラスを利用される方は特別ラウンジもご利用いただけます。

サウジアラビアの鉄道システムは、鉄道網を運営する国有企業であるサウジアラビア鉄道公社（Saudi Arabia Railways: SAR）が運営しています。同社は現在、リヤド（Riyadh）発の主要な旅客路線2路線とに加え、メディナ（Al Madinah)とメッカ（Makkah)間を結ぶ高速鉄道1路線を運営しています。

ノーストレイン（North Train）は、リヤド（Riyadh）を出発し、マジュマー（Al Majmaah）、ハイル（Hail）、カシーム（Qassim）、ジャウフ（Jouf）に停車する路線で、終点はヨルダン（Jordan）との北の国境近くに位置するクライヤート（Qurayyat）です。途中、険しい岩山を抜け、ネフド砂漠の砂丘を通過します。

イーストトレイン（East Train）は、リヤド（Riyadh）-ダンマーム（Dammam）間を走行する旅客路線で、途中ブカイク（Buqayq）とフフーフ（Hofuf）に停車します。フフーフ（Hofuf）駅は、250万本以上のヤシの木が生息する「アハサーオアシス」の中央に位置しています。このオアシスは世界有数のデーツの生産地としても有名です。

現在、サウジアラビアを含め湾岸協力理事会に加盟する全6カ国を結ぶことを目的に計画された湾岸沿いを走る鉄道の建設が進められています。「ガルフ鉄道」という名称のこの計画鉄道が完成すると、クウェートの首都クウェート市からオマーンの首都マスカットまでが1本の鉄道でつながる予定です。途中停車駅にはジェッダ（Jeddah）とダンマーム（Dammam）が含まれる予定です。

ハラマイン高速鉄道（Haramain Express Train）は、観光客と巡礼者の両方にとって便利な移動手段となる最先端の鉄道サービスです。聖地メディナ（Al Madinah）とメッカ（Makkah）を結ぶこの高速鉄道は、449.2km（279.1マイル）の本線とジェッダ（Jeddah）のキング・アブドゥルアズィーズ国際空港（JED）への3.75km（2.33マイル）の支線で構成されています。最高時速300km（190マイル）で走行するこの鉄道を利用すれば、時間通りに目的地に到着できます。

聖地を訪れる大巡礼「ハッジ（Hajj）」の期間中、この高速鉄道は短時間で効率的に聖地を巡礼するために欠かせない移動手段となります。

鉄道旅行中に旅行の様子をシェアすることやメールに返信することもできます。車内はもちろん駅の待合室でもWi-Fiをご利用いただけます。鉄道で移動するもうひとつのメリットは、冷房が効いた快適な車内です。特に夏の暑い時期に旅行される方は、鉄道を利用すれば汗をかくことなく目的地へ移動できます。さらにすべての鉄道にカフェと礼拝専用のエリアが設けられています。

座席をご予約になる際は、車窓からの絶景を堪能できるように窓際の座席を選ぶのがおすすめです。サウジアラビアを走る鉄道を利用し、お席でゆっくりとくつろぎながら、さざめく砂丘や広大な砂漠が広がる圧巻の風景をお楽しみください。