紅海は長い間、サウジアラビア沿岸の地域社会にとって欠かせないものでした。その理由は簡単に理解できます。 とりわけ温暖で、塩分濃度が高く、外部の海からの影響を受けにくいという他にはない条件があったためです。これにより、魅力的なサンゴ礁と生物多様性を特徴とする素晴らしいオアシスが誕生しました。1960年代にフランスの探検家ジャック・クストーによって広められたこともありますが、マーレ・メッカ（メッカの海）と呼ばれる古代の海洋貿易路が、世界中の釣りやダイビングの愛好家、海のファンたちの間で人気のスポットとなっているのも不思議ではありません。

「紅海の生態系は、地球上で最も回復力があるものの1つです。地球温暖化の影響を受けずに、手付かずの状態が保たれています。これは、危機に瀕している他の地域のサンゴ礁にとっての希望です。」紅海の生態学におけるTarek Ahmed Juffali研究の責任者をつとめるキング・アブドゥッラー科学技術大学（KAUST）...