サウジアラビアには聖地のメッカとメディナがありますが、国中の巡礼ルートではこれらの場所に立ち寄る必要はありません。旅行者は、混雑の少ない他の聖地に出かけ、モスクの落ち着いた雰囲気を味わったり、静かに祈ったり、他の歴史的に重要なスポットを訪れたりすることができます。メディナの一部とメッカはイスラム教徒のみがアクセス可能ですが、全国各地にあるその他の建築的に価値があるモスクや史跡は訪問が可能で、サウジアラビアの興味深い宗教的ルーツを自分の目で垣間見ることができます。

文化と歴史
モスク

アハサーのジャワサモスク

アハサーのジャワサモスク

イスラム教初期の古代のジャワサモスクは、およそ1400年前に建設されたもので、アラビア半島東部にある最古のモスクと考えられています。バニ・アブド・アル・ケイズ族がこのモスクを建て、メディナ以外のこの場所で初めて金曜の礼拝が行われました。砂色の泥煉瓦で造られたジャワサモスクを囲む低い塔の上には丸みのある銃眼付きの胸壁が付いています。一見すると要塞のように見えますが、おそらくリヤドにあるマスマク要塞の縮小版と言えるでしょう。モスクは最近修復され、当時使われた資材と調和するよう細心の注意が払われました。木の板を張った厚い扉を開けると、茅と木でできた屋根の下に、白塗りの連なる狭いアーチをあしらった壁で仕切られたホールを見ることができます。ジャワサモスクは、ホフーフの北東部の郊外にあるアル・キラビヤ村に位置しています。
 

  • 旅行者情報:モスクは、礼拝の時間以外は非イスラム教徒にも開放されています。

リヤドのアルラジ・グランドモスク

リヤドのアルラジ・グランドモスク

リヤドで最大のモニュメント的なアルラジ・グランドモスクは、首都で最も重要なイスラム教の施設の1つです。グランドモスクは礼拝所で、男性用ホールには18,000人、女性用のエリアには2,500人収容することができます。また、地域で行われるイベントの会場としても利用されています。モスクには2つの図書館と教育センターもあり、金曜の礼拝は7カ国語に翻訳され、難聴者のためにデジタルスクリーンに表示されています。
 

  • 旅行者情報:非イスラム教徒は中に入ることはできませんが、夜になるとオレンジ色にライトアップされる印象的な外観の建物は一見の価値があります。

ハイルのアルラジ・モスク

ハイルのアルラジ・モスク

ハイルの外れにあるアルラジ・モスクは印象的な建物です。高さ80mの細い4本のミナレットが目を引くこのモスクは、2010年にオープンしました。屋根には50個の朱赤色のドームが連なり、クリーム色の落ち着いた内部には世界最大級のシャンデリアがあります。モスクの内部には4,000人、静かな中庭には3,000人の参拝者を収容することができます。
 

  • 旅行者情報:金曜の礼拝は複数の言語に翻訳されています。

ジェッダのアルラーマ・モスク(水上モスク)

ジェッダのアルラーマ・モスク(水上モスク)

水上モスクと呼ばれるアルラーマは、紅海の白いコンクリートの支柱の上に建つユニークなモスクで、世界初の水上モスクです。メッカやメディナへの玄関口であるジェッダは、多くのイスラム教徒が巡礼の旅を始める場所で、ハッジ(巡礼)やウムラ(巡礼の一形態)の前にこの水上モスクに立ち寄るのが一般的です。輝く白い大理石で造られたモスクの内部のターコイズブルーの巨大なドームは56枚のカラフルな窓で囲まれ、渦巻くアラビア文字でコーランの聖句が書かれています。凝ったタイルとアラベスク様式で装飾されたミフラーブは、2つの背の高いステンドグラスの窓に囲まれています。この水上モスクの建築様式は伝統的ですが、過去にとらわれることなく、最先端の光と音のシステムを備えています。ジェッダで生まれ、現在もこの街で暮らしているサウジアラビア人ツアーガイドのサミール・コモサニ氏は、「このモスクは、イスラム建築と近代建築の融合です。穏やかな気持ちになり、安心、安全、神の愛を感じることができる、ここで過ごすのが好きです。ここには、異なる文化や外国人が集まります。雑念を捨てることができる場所なんです。」このように話しています。アルラーマ・モスクは2,100人の参拝者を収容でき、木製で高床式の女性のムサッラー(祈りのホール)もあります。
 

  • 旅行者情報:毎日24時間開いています。モスクは、礼拝の時間以外は非イスラム教徒にも開放されています。日の出と日没の時間に訪れるのがおすすめです。